第49章 【第四十八訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ二
揺れを感じ、○○は目を覚ます。
○○は銀時に腕を掴まれていた。
体は宙に浮いた状態。
銀時は桂の背に乗り、桂は新八の背に乗り、新八は三人の体重をその身に負って走っている。
「すっかり見ないうちに大きくなって~。孫の成長は早いのう」
○○は目を細めて新八を見る。
「○○さん! やっと起きたんですか!!」
○○は長い間、スピースピーと寝息を立てて眠っていた。
○○が眠っている間に、妙が一人、連れて行かれた。
妙を救出し、乙姫の野望を砕くために彼等は脱獄。
亀梨も合流し、乙姫の元へと向かった。
「走れェェェ!! 新……新……なんだっけ」
「新一郎君じゃァァァ!!」
「新八じゃあボケェェェ!!!」
一網打尽になることを恐れ、亀梨は戦力を分散し、少人数で宮殿に乗り込むことを提案。
神楽と九兵衛は二人で先陣を切り、亀梨と長谷川は敵の足止めを買って出るが敢え無く撃沈。
新八一人に、役立たずどころか足手まといにしかならない三人が押しつけられていた。
「おや。孫じゃなくて、新八君だった」
新八の横顔を見て、○○は目を瞬かせる。
「○○さん! やっぱり、記憶が戻ってるんですね!」
○○の口から出た自身の名前に、新八は笑顔を浮かべる。
窮地の状態だが、○○の記憶が戻ったことは喜ばしい。
「○○殿ォォォ!! 安心せい!! 何があろうと、お主はわしが護るからのう!!」
「うるせーよ、ジジイ!! 護れるもんなら護ってみやがれ!!」
後頭部の真後ろから桂に耳をつんざかれ、新八は顔を歪める。