第48章 【第四十七訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ一
「なんということだ。○○殿がまた記憶を失うなど……」
八人は役割を分担し、無人島生活を乗り切るために動き出した。
妙と長谷川は食材の確保、新八と九兵衛は雨露を凌げる寝床を探しに行っている。
銀時、○○、神楽、桂は脱出方法を講じるために島を探索することとなった。
「俺は桂小太郎だ。○○殿には小太郎と呼ばれていた」
桂は歩きながら、銀時を挟んで向こうを歩く○○に話しかけている。
何かと近づこうとする桂を○○は避けている。
他の六人は信用出来そうだが、この男には危険を感じる。
というか、生理的に受けつけない。
「○○殿。そんなに警戒せんでもよい」
桂は溜め息を吐く。
「覚えておらぬだろうが、なにせ、○○殿は俺の恋人なのだ」
「それはねェ」
「それはない」
銀時と○○の声が重なる。
記憶を失くす前の自分がどんな男が好みだったのかはわからないが、こんな変態と付き合っていたはずがないことは確かだと思える。
「竜宮城でウハウハの夏休み過ごすはずが、なんでこんな事やってんだろ、俺達は」
○○の隣で銀時が溜め息を吐く。
他に情報がない以上、同じ法被を着込んでいるこの男を一番信頼すべきだろうと、○○は銀時の横にくっついていた。