第48章 【第四十七訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ一
「なんてこった。全員、竜宮城に行く船を壊されてこの無人島に流れついちまったってのか」
銀時、新八、神楽、妙、九兵衛、長谷川、桂はそれぞれ海に流され、この島へと漂着した。
万事屋一行は盗撮した亀に連れられて、妙と九兵衛は助けた娘の父亀に連れられて、長谷川は身投げしようとしていた所を助けてくれた亀に連れられて、竜宮城を目指していた。
桂だけはきび団子をもらった礼に天竺を目指していたが、諍いに巻き込まれて漂流した。
「あとは○○か」
○○以外はこうして全員が無事に顔を揃えたが、一人だけまだ合流出来ていない。
「何!? ○○殿が行方不明だと!?」
それを聞き、取り乱したのは桂。
「全員この島に流れついた所を見ると、海流が島に向かっていたことは間違いない。この島のどこかにいるはずだ! 俺はこちらから海沿いを回る! 銀時は左手から島の裏へ捜して回れ! 念のため、リーダーと新八君、妙殿と九兵衛殿も森の中を見ながら反対へと向かってくれ!」
テキパキと、桂は○○を捜し出すための指示を出す。
「それから考えたくはないが、長谷川さんは万が一を考えて海底を探ってくれ!」
「俺、それ死ぬぞ」
「頼んだぞ!」
長谷川の言葉に耳を貸さず、桂は走り出した。
「○○殿ォォォ!!! 無事でいてくれェェェ!!!!」
砂浜に足を取られつつ、○○を捜すために必死に走る。
走り出してすぐに、桂は走ることをやめた。
勢いをつけて走っていたため、柔らかい砂浜では急には止まれない。
「○○殿ォォォ!!!!!」
大岩の裏に、桂は○○の姿を見つけた。
ズザァァァァという音を立てて、桂は○○から数メートル離れた所で停止した。
「○○殿ォォォ!!! 無事だったのだな!!!」
猛ダッシュで桂は○○に突進する。
飛びかかって来た桂を、○○はグーで殴り飛ばした。
「桂さん!!」
ズザァァァァと音を立て、桂は脳天から砂浜へと落ちた。