第48章 【第四十七訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ一
「お前ねェ、前と態度がだいぶ違うじゃねーか」
○○の両手首を掴んでこめかみから引き離しながら、銀時は先日の『大江戸線キン肉バスター痴漢事件』を引き合いに出す。
長谷川が痴漢疑惑で捕まった事件。
銀時は長谷川の弁護士として裁判に参加。
○○は銀時の補佐として詮議の場に立った。
その折、相手の破牙検事は銀時が女性の着替えを覗いていたという事実を公にし、裁判を優位に運ぼうとした。
寝耳に水の出来事だったが、○○が銀時を非難することはなかった。
「そんな不用心な状態で着替えてたら、見られたって仕方ないでしょ」
と、女性側の不注意を挙げ、さらには、
「私のがこんなちっさいせいもあるよね」
と、自らを責めてさえいた。
「私がいない所でならいいよ、別に。でも彼女がいる所で人の胸見るとか、ありえない。あ、またムカムカして来た」
再度こめかみに伸ばされた手を銀時は掴む。
「わーった。わーったって。これからは○○の胸でかくするために全力を注ぐよ」
「なんの話だ!」
○○はベンチから立ち上がると、再び炎天下へと歩き出す。
「私、また見廻って来るけど、銀さんもちゃんと仕事してよ」
「わーってるって。何度も言わせんな」
言い終わらないうちに、銀時は再び双眼鏡で女体を観察し始めた。