第48章 【第四十七訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ一
「その鼻血、拭いてから言いなさいよ」
テントに近づいた○○は、銀時の鼻から血が垂れていることに気がついた。
銀時が覗く双眼鏡の先に目を向ければ、ビーチボールで遊ぶビキニ姿の女性達。
見ていたものはボンキュッボンな女人の体に違いない。
「何だこりゃ。ああ、暑さにやられたんだな」
銀時は鼻を手拭で拭う。
○○は溜め息を吐きながら銀時の背後に向かう。
そこにはウォータージャグが置かれている。
「ずっと日陰にいるくせに、何が暑さよ。こっちの方が何倍も暑さにやられてるわ」
水筒とコップに水を入れて戻ると、銀時の隣へと腰掛けた。
「私はともかく、神楽ちゃんは暑さに弱いんだよ。そんな子を炎天下で働かせて……」
水分補給をしながら銀時の横顔に目を向けると、彼の視線の先にあるものに気がついた。
銀時は左のパラソルの下を注視していた。
そこには日焼け止めオイルを塗り合っている二人の若い女性。
じゃれ合いながら塗り合いっこしているため、ユッサユッサと胸が揺れている。
「お前はまたァァァ!!」
「いだだだだ!」
銀時の前に立つと、○○は両拳を握り、こめかみへと押し当てた。
人差し指の第二関節で両側からグリグリと締め上げると、銀時の頭蓋骨からギリギリと軋む音が鳴る。