第46章 【第四十五訓】真選組動乱篇 其ノ二
「副長ォ! ようやく見つけた!!」
万事屋一行の横に一台のパトカーが停車した。
中から下りて来たのは、○○の知らない隊士達。
○○が屯所を出てから大分時間が経った。
その間に新入りの隊士も随分増えたのだろう。
告げられた言葉に、○○は耳を疑った。
「山崎さんが……山崎さんが!! 何者かに……殺害されました!!」
屯所の外れで血まみれで倒れている所を発見された――
彼等は土方にそう報告する。
「もうその時には……」
すぐ目の前にいる隊士の声が、遥か彼方から発せられているように薄ぼんやりと聞こえる。
「や、山崎が……?」
――夕方こちらから伺います。
今朝聞いたばかりの山崎の声が蘇る。
気が遠のく。
「○○さん、しっかり……!」
新八は○○の体を支えた。
その顔は色を失っている。
「とにかく! 一度屯所に戻ってきて下さい」
隊士の一人が土方の手首を掴み、パトカーに連れ込もうと引っ張った。
「副長も山崎の所へ」
白刃の煌めきに○○は我に返る。
隊士達は土方に向かって刀を振り上げた。