第44章 【第四十三訓】集え、バベルの勇者達!!の話
(○○さんんん! 気づいて下さいぃぃぃ!!)
テーブルを挟んだ向こうとこっち、男性陣と女性陣の間に交流はまるでない。
これでは九兵衛を口説くどころではない。
男性陣と女性陣の橋渡しとなる存在。
この合コンの意味を知る○○か神楽の協力が必要だというのに、彼女ら二人はただただ料理を堪能している。
「神楽ちゃん、手づかみだと手がギドギドになっちゃうよ。ホラ、この紙使って」
「面倒臭いアル。あとで舐めれば大丈夫ネ」
食べ慣れていない豪華な食事に苦闘し、箸を諦め手づかみで肉を食べ始めた神楽に対し○○はお母さんのように甲斐甲斐しく世話を焼く。
そんな中、
「箸渡しはいけませんんんんん!!」
との声と共に、妙がテーブルの上に並んだ料理をひっくり返しながら銀時を足蹴にした。
○○と神楽は揃って目を向けた。
その様子を見て、妙が連れて来た雑兵達が「ヒューヒュー」との声を上げる。
「いい加減にしろよ女子ィィ!!」
見かねた新八が間に入るが、雑兵の一人が銀時狙いと発覚し、事態は悪い方向と向かう。
「なァァァに他の女にまで色目遣ってんだァァ! 結局タダ合コンやりたかっただけか、テメェェェ!!」
○○は銀時の胸倉を掴み上げる。
九兵衛を口説くのは仕方がないが、他の女にまでちょっかいを出すならば黙って見ているわけにはいかない。
「今のどこをどう見たら俺が色目遣ったことになるんですか!」
「○○さん! ここは堪えて下さい!」
新八が後ろから○○を羽交い絞めにする。
こんなことになってしまったが、男性陣と女性陣の溝は完全に雲散霧消した。
このままどうにか突っ走るしかない。
銀時は自分は片目の奴を狙っていると告げた。
「本の角に眼鏡ぶつけちゃった。失明だわ」
銀時の言葉を聞き、片目の奴になろうとさっちゃんがわざと左目を負傷。
「○○さんんん!」
それに対抗するように○○は尺八を左目にぶっ刺した。
「合コンの前に銀さんがちゃんと○○さんのフォローしておけば、こんなことにはならなかったんですよ!」
いつもの冷静な○○ならばこんな暴挙はしていないと新八は銀時を責める。銀時は冷や汗を垂らす。