第7章 【第六訓】人生ってオッさんになってからの方が長い話
「“本日を以て真選組を脱退します。あばよ。○○”」
さすがに土方も目を丸くし、沖田に視線を向けた。
沖田は土方を見ながら、ニヤリと笑った。
「出てっちまったみたいですね、○○」
土方は一瞬眉間に皺を寄せると、灰皿にタバコを押しつけた。
ゆっくりとした足取りで沖田に詰め寄る。
「貸せ」
掻っ攫うように紙を奪い、文面を読む。
一字一句、沖田が読み上げた通りに記されていた。
「アイツ、最近は大人しくしてると思ってたら……」
土方は小さく息を吐いた。
「大人しいのは土方さんに対してだけじゃないですかィ」
朝帰りでの口論以来、○○と土方は一度も口を聞いていなかった。
○○がマヨネーズを買うこともなくなった。
「どうすんだよ! トシのせいだぞ!」
返す言葉がない。
「総悟は屯所のみんなにしらせろ! お前らは先に○○を捜しに行け!」
「は、はい!」
「はい! じゃねーだろ!」
近藤の命令を実行に移そうとした隊士達を土方は止めた。
沖田はやれやれといった風に肩を竦める。