第36章 【第三十五訓】ホストクラブ『高天原』の話 其ノ二
「子ども達を放っておいて、アンタはどこに行ってたの!」
万事屋のリビングで、銀時はおばちゃんにお小言を食らっている。
勝男からおばちゃんを取り返した後、銀時と○○が姿を消した。
「子どもだけで夜中に留守番させるなんて、物騒でしょうが!」
「子どもだけじゃねーだろ。母ちゃんもいただろ」
「アンタはもう人のアゲ足ばっかりとってェェ!!」
銀時が戻ったのは翌朝。
神楽を一人で放っておくわけにはいかず、おばちゃんは万事屋に一泊した。
元より、銀時が飲み歩く夜は、普段から神楽は一人ではあるが。
「おはようございます」
銀時から遅れること三十分。
着替えを住ませた○○は万事屋を訪れた。
リビングに入った途端、おばちゃんの説教が○○を襲う。
「アンタも! 子ども達を放っておいて、夜中にどこに行ってたの!!」
「私は下の階の住人です」
○○は床を指さした。
「アンタはもう人のアゲ足ばっかりとってェェ!!」
とはいえ、昨夜は下にもいなかった。
銀時と○○の昨夜の居所は、ラブホテル『極楽浄土』。
新八と神楽、狂死郎がおばちゃんの縄と目隠しを解いている最中、○○は銀時に連行されていた。
スーツ姿の銀時と、ほろ酔いの○○。互い姿が珍しかった。