第34章 【第三十三訓】一日局長に気を付けろッテンマイヤーさんの話
現場の寺に真選組は急行した。
奴等の要求は、捕えられた仲間の解放と、真選組の解散。
聞き入れられない場合は、人質を殺害すると言っている。
「やっちゃったなー」
いの一番で車から降りたのは誠ちゃん。
不当逮捕されたとマスコミに訴える。
話をややこしくするなと土方は飛び蹴りを食らわせるが、それもマスコミにとっては格好の的。
チンピラ警察と話を大きくする。
拳を握りながらもこらえる土方の横で、銀時はほくそ笑む。
「ぐお!」
その笑顔が突如苦しみの顔に変わる。
銀時の乗るワゴン車と並走して来たパトカーから降りた○○は、銀時の首に手綱を飛ばした。
練習の効果か、一発で成功。手綱を手繰り、○○は自らの所まで誠ちゃんを引きずった。
「誠ちゃん。自分が今日一日、真選組のイメージアップのためのマスコットだってこと忘れないでね」
真選組は脱退したとはいえ、彼等を貶める行為は見過ごせない。
「わかった! わかったから、これ取っ……」
言い終わる前に、誠ちゃんは真っ青になってうなだれた。
「アレ? 誠ちゃん? 誠ちゃァァァん!」
呼吸停止。○○は誠ちゃんの肩を揺さぶる。
その間に『天狗党』の面々は真選組に要求を吹っかけていた。