第31章 【第三十訓】妖刀『紅桜』 其ノ四
「銀ちゃん! ヅラァ!」
救援の船の上、○○は宙を落ちる二人を見下ろしている。
銀時と桂は落下傘で敵の包囲から抜け出した。
天人を斬り倒す桂は強かった。
剣術能力の高さと、用意周到な逃走経路。
真選組の追撃が躱されてきた理由の一端を垣間見た気がする。
「○○さん、すいませんでした」
新八は改めて○○に謝罪をする。
血の滲む手首が痛々しい。
銀時のいない今ならば、きちんと話が出来る。
「新八君のせいじゃないよ」
新八は○○を助けようと追ってくれた。
止めたのは○○だ。
「新八君がいなかったら、銀さんがどうなってたか」
岡田に斬られる銀時を前に、○○は何もできなかった。
大切な人が死に瀕しているのに、幻惑に囚われ、動くことができなかった。
挙句、敵の手に落ちることにもなった。
情けない。