第24章 【第二十三訓】隠し子騒動と盲目の剣士の話 其ノ二
「銀さん!」
肩を押さえて膝を着く銀時に、○○と新八と神楽は駆け寄る。
岡田は銀時に傷を負わせただけでなく、房の手から勘七郎を取り戻していた。
しかし、銀時もやられただけではなかった。
岡田の額からは血が流れている。
○○は刀の柄に手をかけた。その手を、銀時が押さえた。
「銀さん」
賀兵衛は勘七郎を連れて部屋を出た。ガキを追えと、銀時は○○達に告げる。
「あとで必ず行くからよ」
新八、神楽、長谷川、房の四人は岡田の横を抜け、賀兵衛が入って行った扉へ向かった。
「○○さん!」
一人逡巡している○○に、扉の前で振り返った新八が呼びかける。
「行け、○○」
意を決して○○は駆け出した。
岡田の横を通り過ぎる。
「○○、ね」
岡田は静かに笑った。
「いい女だねェ」
「随分いい鼻持ってんじゃねーか。見えなくてもわかるんだな」
「あの女を泣かせるのは、少し心が痛むねェ」
岡田が柄を握ると同時に、銀時も柄を握った。