第25章 【第二十四訓】一寸の虫にも五分の魂の話 其ノ一
単独で瑠璃丸を捜していた○○は隊士に呼ばれ、真選組の陣営に向かった。
「お前は日が暮れる前に屯所に戻れ」
○○を呼び出したのは土方だった。
「瑠璃丸を捕まえるまでは帰らないよ」
「これは俺らの仕事だ」
「人手は多い方に越したことはないでしょ」
「お前は関係ねーだろ」
屯所に身を置いてはいるが、今では監察に属しているわけではない。
あくまで宿代わり。仕事は万事屋――
「あ、それから、ここじゃなくて、万事屋の方で寝るから」
土方は目を引ん剥く。
同じテントであの男と夜を明かすなど、見過ごせる行為ではない。
「アイツに襲われたらどうするつもりだ!」
「神楽ちゃんと新八君のいる前で襲うわけないじゃない!」
大体、銀サンに襲われても何の問題もナイっつーのとは言えない。
「百歩譲って残るにしても、陣営に泊まれ。じゃなきゃ、帰れ」
「なんでトシの許可もらわなきゃなんないの?」
今日はあくまで山崎について来た。
日が落ちる前に帰るつもりだったが、銀時が来ていたため予定を変更して万事屋に合流するのみ。
土方にとやかく言われる筋合いはどこにもない。
「それに」
○○は周囲を見回した。
「こっちの方が危ないでしょ」
屈強な男の群れ。
庶民ならいざ知らず、日々鍛錬を行う警察庁屈指の猛者共。
全員に結託して襲われれば、○○でも対抗出来ないだろう。
「テメーは俺ら警察を何だと思ってんだ!」
「あーそうだね。危ないのは一人だけか。この間も扉蹴破って入って来た、一人だけだね」
「あ!?」
テメーが悲鳴なんか上げるからだろうと、土方は額に青筋を浮かべる。