第22章 【第二十一訓】百万編の詩より一吠えのワン🐾の話
○○はテレビ画面に目を向ける。
自らの姿が映し出されたニュース番組。
今朝、万事屋の前で取材を受けた時の映像。顔にはモザイクがかけられている。
定春に餌をやる新八、布団を干す神楽と、○○のあとに撮影されたであろう映像が流される。
「怖いわね」
「人を襲ったりしないのかしら」
テーブルを拭きながら、○○は客の囁きを耳にする。
「可愛いじゃないですか。あんな愛らしいワンコ、そういませんよ」
「でも大きさがねェ……」
「んま!」
客の声に、○○は再び視線をテレビへと向けた。
○○、新八、神楽に続いて、銀時へのインタビューが流されていた。
銀時は顔だけでなく、股間にまでモザイクが入れられていた。「チャック開いてます」との花野の悲鳴が上がる。
花野の制止も聞かず、銀時はカメラの前へと歩いた。画面全体がモザイクで覆われる。
「最低の飼い主ねェ」
画面はスタジオに切り替わり、アナウンサーとコメンテーターのハタ皇子が映った。
ひどい飼い主ですね、終始チャック全開でしたよ、との不評がアナウンサーより述べられている。
「男として最悪ですね」
白けた瞳を○○は画面に向ける。