第22章 【第二十一訓】百万編の詩より一吠えのワン🐾の話
「いてて……」
スクーターには新八も乗っていた。
「よかった! 新八君! 無事なんだね!」
○○は大仰に安堵を見せた。
「俺が無事だったことに対してはなんもなしか?」
「だって新八君の場合、銀さんと違って簡単に死んじゃいそうだから」
銀時の場合、記憶が飛ぶ程度のこと。
擦り剥いた腕を気にしている新八は、二人の会話を聞いていない。
「うがァァァァ!!」
雄叫びに三人は揃って視線を上げた。
中継映像では気づかなかったが、定春の尾に神楽がしがみついていた。
「私達があの子の覚醒を解く呪文を唱え終わるまで時間を稼いで」
銀時のスクーターと並走し、同じく○○が運転する車に巻き込まれたスクーターに乗っていた女性が話しかける。
巫女姿の二人の女性。見た所、双子の姉妹らしい。
「誰?」
初めて見る顔だった。
「定春の、ォォォォ!」
定春の前の飼い主。
たったそれだけの言葉を言う前に、定春の攻撃を受けた。
「今は説明してる時間はねェ! 稼げる時間もねェ!」
銀時は青ざめる。
巫女姉妹は片方が笛を吹き、片方が呪文を唱え、二人並んで踊っていた。
凶暴化した定春相手に、銀時、○○、新八は成す術なし。爪から逃げることしか出来ない。
破壊による風圧もあり、三人は散り散りになる。