第22章 【第二十一訓】百万編の詩より一吠えのワン🐾の話
「どきなさい! 暴走車が突っ込みます!」
大江戸ドームの周辺は野次馬で取り囲まれていた。
○○はサイレンと声を響かせる。半円に並んでいた人々は悲鳴を上げながら真二つに割れた。
車一台分が通れるやっとの隙間を躊躇いなく突っ込む。
「あ!」
スクーターを目の前に、○○は急ブレーキをかけた。
「銀さん!」
車から降りた○○は、ひいたスクーターに跨っていた人物の元へ駆け寄った。
野次馬が開けた先に、○○は銀時のスクーターを見た。慌ててブレーキを踏んだが間に合わず、側部へ体当たり。
その向こうを走っていたもう一台のスクーターも巻き込み、パトカーは停止した。
「○○か!? なんでパトカー運転してんだ!」
定春が巨大化してから三日が経った。
今では定春の頭は万事屋の屋根を突き破って表に出ている。
そのため、ワイドショーで取り上げられるほどの騒ぎになった。
万事屋周辺の住人は、定春のことを化け物だと恐れるようにもなっていた。
「定春追いかけるために強奪した」
バイト先で○○は定春のニュースを見た。
鬼のような面妖に変化し、街を破壊しながら走っている映像。
もはや定春は江戸に害を与える凶暴な生き物。当然、真選組も追っている。
顔見知りの隊士が乗ったパトカーと遭遇した○○は分捕った。
完全なる無免許運転。