第20章 【第十九訓】でんでん虫虫エスカルゴの話
「その気ってなんだァァ! そんな気はねェェェ!!」
耳を劈く大声に、銀時は眉をひそめる。
「何、勿体ぶってんだ。ガキじゃあるめーし」
銀時が後頭部に手をやってガリガリと掻くのと、「銀さーん!」「銀ちゃーん」と呼ぶ声が聞こえたのは同時だった。
「さっさとしねーから、邪魔が入っちまったじゃねーか」
新八と神楽が手招きをしている。
二人は○○の叫び声を聞いて部屋から顔を覗かせ、そこに銀時の姿を見つけた。
「しゃーねェ、また今度にするか」
銀時は踵を返し、屋敷へと歩いた。
助かったと安堵しながら、○○はその背を追う。
「一つ言っとくけどな」
○○は銀時の後頭部を見上げる。
「俺ァ筋はちゃんと通す方だからな。ほれた女としか、そーゆーこたァしねーぞ。そこんとこ覚えとけ」
チラリと向けられた銀時の表情は、真剣な眼差しだった。
○○は顔を赤らめさせる。
昇天させられる日は、そう遠くはないかもしれない。