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~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第16章 【第十五訓】美味しいものほど当たると恐い話


 果物を買い求め、○○は大江戸病院に向かった。

「お見舞いに来たよ」
「○○!」

 病室に入ると、嬉々とした神楽の声が聞こえた。
 ○○だけが一足先に退院した。
 同室の四人はなぜか病院でさらにケガを負い、入院延長を余儀なくされていた。

「○○さん、みんな明日には退院出来ることになりましたよ」
「本当に? よかった!」

 ○○は明るい声を上げた。
 これで、また万事屋としてみんなで活動が再開出来る。

「俺以外のみんな、な」

 明るい雰囲気の中、一人だけ影を漂わせた長谷川が呟いた。
 長谷川は元からケガの度合いが違い、さらにケガを重ねたため、まだ退院の日は遠いようだ。

「いいじゃないですか。長谷川さん、退院しても職ないんだし」
「よくないわ!」

 長谷川は求人広告を片手に声を上げた。



 病院の正面玄関を出ると、門までの一本道が続いている。
 道の両側にはたくさんの木々が植わっている。
 その木の下に設置されたベンチの一つに、頭と足に包帯を巻いたロン毛が座っていた。
 彼はベンチに腰かけ、瞑想しているようだった。

「桂!」

 声を上げると彼は目を開けた。
 ○○の姿を見ると彼は顔一面に喜色を浮かべた。

「○○殿!」

 桂は立ち上がると笑顔を向けて手を振って来た。
 片足を庇うように、たどたどしい足取りで近づいて来る。
 ○○は首を捻る。先日はこんなケガはしていなかったはずだ。
 桂は○○の元へとたどり着くと、表情を引き締めた。
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