第17章 殺したくてたまらないという顔
リヴァイはじっとアリアを見つめていた。
唇が開き、何かを言おうとする。まぶたがゆっくりと降りていく。両手が持ち上げられ、静かにキスが落とされた。
「……あぁ」
それは吐息と共に吐き出された言葉だった。
かたく閉じたまぶたはかすかに震えていて、握った手に力が込められる。
「わかった」
再び目が開いたとき。
その瞳はもう揺れてはいなかった。
「お前を信じよう」
アリアは笑った。その言葉に安堵した。
彼の信頼に値する人間になれたのだと思うとすごく嬉しかった。
「ありがとうございます、リヴァイさん」
言って、するりと手を離した。
少し寒くなってきた。そろそろ天幕に戻らなければならない。
「俺の天幕まで来い。紅茶を入れてやる」
「えっ、いいんですか?」
頷いて歩き出したリヴァイの後を追う。
「ニファとペトラも同じ天幕だったな?」
「はい」
3人分入れてやる、キャラメルの紅茶だ。と言う彼の横顔はひどく穏やかだった。