第11章 生まれてきてくれてありがとう
⠀そっと指を引き抜き、アリアをベッドへ押し倒す。
「きれい」
⠀ズボンを脱ごうとしていたリヴァイはアリアの言葉に手を止めた。この部屋になにか綺麗なものでもあっただろうか。
⠀
⠀アリアは手を伸ばし、リヴァイの体に触れていた。腹筋を撫で、分厚い胸筋に手のひらを当てる。下心など一切ないのだろう。まるで美術品に触れような繊細さだった。
「綺麗か?」
「はい、とても。きれいな体」
⠀うっとりとアリアは目を細める。
⠀だれかに体を褒められたのは初めてだった。
⠀地下街にいたころは栄養と日光不足のせいで痩せていたし、それなりに筋肉がつくようになったのは地上に来てからだった。
「あんまり撫でるな」
⠀ぺたぺたと至るところを触ってくるアリアの手を軽く掴む。
「これでも限界なんだ」
⠀表面上は冷静さを装ってはいるが本当にギリギリのところだった。それをこんなにも触られてしまってはどうなるかわからない。
⠀アリアは目をぱちくりと瞬かせ、そして顔をパッと赤くすると急いで手を引っこめた。
「ご、ごめんなさいっ」
⠀その様子がかわいくて、リヴァイは喉の奥で笑った。
⠀アリアはあまりにもリヴァイを信用し過ぎている。今、自分が相手にしているのがどれほど飢えた獣なのか、理解できていないのだ。
⠀アリアの下着をするりと抜き取り、自分のズボンと下着を下ろす。落ち着き払った顔色とは似ても似つかない隆起したそれからは、先走りが溢れていた。
⠀ベッドサイドの引き出しから避妊具を出して手早くつける。体の下でアリアの膝がもぞもぞと揺れた。