第11章 生まれてきてくれてありがとう
アリアの髪に顔をうずめる。石鹸と彼女自身のにおいがした。
「あんまり嗅がないでください」
恥ずかしいのかもぞもぞと動いてリヴァイから離れようとする。だが本気ではない。この戯れをアリアも楽しんでいる。
アリアの素肌を触っているのは気持ちがいいものだった。柔らかく、あたたかく、落ち着く心地がする。今まで抱いた女にそんな感情を持ったのは初めてだった。
腹を撫でると笑いがこぼれ、耳たぶを食むと息が漏れた。アリアの体を隅々まで撫で尽くす。下着の上から胸を揉むと体を縮めてリヴァイを振り返った。
「嫌か?」
「……嫌じゃ、ありません」
アリアの唇が頬に寄せられて軽いキスが落とされる。
「大好きです、リヴァイさん」
熱を孕んだ息が耳に吹き込まれる。
「あなたになら、ぜんぶ触ってほしい」
「アリア」
左手を彼女の頬に添え、こちらを向かせる。一瞬の間。合図はなかった。何かに引き寄せられるように二人は再び唇を合わせた。
少しずつ慣れてきたのか舌を入れてもアリアは驚かなかった。むしろリヴァイを受け入れ、自分から吸ってみせた。
リヴァイは右手を動かし、アリアの太ももに触れた。ゆっくりと上へずらしていく。恥骨の辺りを手のひらで覆う。アリアの息が乱れる。体に緊張が走っているのが伝わってくる。
「さわってください」