第6章 お前が雨に怯えるのなら
845年 春。
突如として出現した超大型巨人および鎧の巨人により、シガンシナ区の外壁が破壊、そしてウォールマリアの壁も破壊された。
人類は3分の1の領土を放棄。
前代未聞の出来事だった。
調査兵団は壁外調査の直後ということもあり、巨人討伐の任務へは向かえなかった。昨日アルミンから送られてきた手紙で知ったことだが、エレンの母親、カルラさんは巨人に食われて亡くなったらしい。そして父親のグリシャさんも現在行方不明という。
いまだに信じられない。
どうして壁が破壊されたのか。超大型巨人と鎧の巨人は一体なんなのか。わたしたちにはわからないことが多すぎる。
全兵団の入団式は一時延期。壁外調査も延期となった。
とにかく今は避難民の保護と今後のことについて会議が重ねられている。
そのせいでエルヴィン分隊長とキース団長を最近見かけない。訓練にも身が入らない。
とにかく明日、アルミンたちに会いに避難所へと向かう予定だ。
なんと声を掛ければいいのだろうか。
──とある兵士の日誌より