第108章 カイピリーニャは甘すぎる #2 ※
『ん……』
重い瞼をぎゅ、ぎゅと強く瞑ってから目を開いた。視界に映る景色をぼんやりと眺め、細く息を吐いた。
どうやら抱かれている途中で意識が飛んだらしい。プツリとどこからか記憶が無い。それ以前も断片的な光景しか思い出せない。時計を見れば日もうそろそろ日が登り始める時間だ。
だるさの残る体をゆっくり起こすと、掛けられていたブランケットがぱさりと落ちる。最低限の処理はしてくれたのか、体は思ったより綺麗だった。
「起きたか」
『あ、うん』
ピンガにそう聞かれて反射で答える。
「体は」
『ちょっとだるいけど大丈夫。私より貴方の方が心配なんだけど。薬の効果はちゃんと切れてるのよね?』
「ん……?ああ、安物だったみたいでキツイのは最初だけだったからな」
『……は?待って、最初だけってどういう事よ?』
「あ?そのままの意味だろ。2回出したくらいで変な感覚はなくなったからよ」
朧気な記憶の中のピンガの様子をどうにか思い出す。確かに少しずつ余裕が出てきてたような気がしなくもない。
『……じゃあ、薬が切れたのに抱き続けてたって事?』
「まぁ、そうだな。ここの所そういった事もご無沙汰だったんでな。都合が良くてよ」
『……最低』
薬を盛られてどうしようもないから、仕方なく受け入れたのに。意識を飛ばされるまで抱かれたけど、その頃にはとっくに薬の効果は切れてたって事?
「は?自分の事棚に上げて言うじゃねぇか」
ふらりと立ち上がったピンガがこちらに近づいてくる。逃げる間もなく顎を掴まれて上を向かされた。
『……何よ』
「いや?お前の様子思い出してな……仕方なくって言う割には締め付けて離そうとしねぇし、何回もイってただろ?十分楽しんでたのはお前も同じだろ」
『それは……っ』
否定したくても否定しきれない。ピンガに顎を掴まれてるせいで顔は動かせないから目線だけ逸らす。
「なぁ、これからも相手する気ないか?」
『は?何の冗談?』
言われた言葉が衝撃的で思わず視線をピンガに戻した。
『性処理なら他を当たって』
「冗談じゃねぇ。お前がいい」
顎の手が離れて、今度は頬をそっと包まれた。
「俺の本性知っててここまで相性いい奴なかなかいねぇの。買った女じゃ満足するまでできねぇし」
『……』
「それとシてる最中のお前の顔がエロくて好み」
『最低っ!』