第108章 カイピリーニャは甘すぎる #2 ※
「……ああ」
ピンガがニヤリと笑う。そして、噛み付くようなキスをされた。
すぐに舌が差し込まれて口内を荒らしていく。舌を絡められて、時々吸われて。歯列をゆっくりなぞっていく動きに顔を背けようとするも、後頭部に回されている手がそれを阻む。腹の内側に熱が溜まっていくのを感じた。タバコの味のしない、荒々しいけど甘ったるいキス。
息苦しくなってきて頭がぼんやりとし始めたところで、やっと唇が離される。息を整えようとするとピンガに顎をすくわれた。
「……いいな、その顔」
ギラギラとした瞳に捕らえられて下腹部が疼いた。
私の背中に回されている手がゆっくりとドレスのファスナーを下ろしていく。支えがなくなったドレスが足元にストンと落ちた。下着姿を見られるのが嫌なわけではないけど、なんとなく腕で自分の身体を隠す。が、すぐにヒールも脱がされてベッドにそっと押し倒された。先程までのキスとは違い、優しさを含んだ扱いに首を傾げた。
『……薬に耐性あるの?』
「……は?」
『だって、そんなに荒っぽくないし』
「なんだ、そういうのが好みか?」
『ち、違うわ。薬盛られたらもっと、こう、本能剥き出しってイメージで……』
「必死に抑えてんだよ」
ピンガがネクタイを解いた。ジャケットもシャツも脱ぎさって上半身が晒される。
細身だと思ってたけど筋肉もしっかりついてるんだ……なんて状況にそぐわない事を考えていると、ピンガが馬乗りになって顔を覗き込んできた。
「本当はさっさとぶち込んでやりてぇが……無理矢理やって泣かれるのは冷める」
『へ、へぇ……』
「でもそこまで気にする必要はねぇらしい」
ピンガは私の鎖骨の辺りを指ですっと撫でた。そういえば、と慌ててその辺りに触れる。一昨日、ジンに噛まれた跡が残ってる。
『あ、これは、その……』
「変に言い訳するな。アイツの後ってのは気に入らねぇ。だが、多少ひどくなっても良さそうだな」
脚の間にピンガが入り込んできて下着越しにピンガの腰が押し当てられる。少し擦るように動かれて、ソレの熱と硬さに顔が熱くなるのを感じた。
『……できるだけ早く終わらせて』
「つれねぇなぁ?」
ぷちん、とブラのホックが外されて胸の締め付けが消える。慌てて手で押さえようとするがピンガに腕を掴まれてベッドに押し付けられる方が早かった。