第88章 溺れるほどの愛を※
それから。何度も体位を変えて、何度もイかされて身体も思考もグズグズに溶けてしまっている。汗と涙と涎で顔はぐしゃぐしゃだし、結合部から垂れる愛液はシーツにシミを作っている。抵抗なんする気も起きなくて、ただ快楽を受け入れて喘ぐ事しかできない。まあ、声もそろそろ枯れてきているような気もするが。
「チッ……」
ぼーっとしているとジンの舌打ちが聞こえた。
『なに……?』
「ちょっと待ってろ。新しいの取ってくる」
ぼんやりとした視界に映ったのはゴムの箱……ここで終わりにするという選択肢はないらしい。
だるそうに身体を起こすジンを見て、思わず呟いた。
『……つけなくてもいいのに』
「……あ?」
『一生、そばにいてくれるんでしょ……』
私何を言ってるんだろうと考えようとする冷静な自分と、何も考えずただ言葉を口にする自分と……どちらにしても、ジンの雰囲気と目付きが変わった。
「……煽ったのはてめぇだからな」
そう言ってジンのモノがナカへ入ってくる。ゴム1枚隔てていただけなのに、こんなにも感覚が違う。熱さと感触が一気に快感を与えてくる。
『っ、あ……なか、あつい……』
「ったく、いちいち煽ってんじゃねえよ……!」
『ひぃ、あっ……きもちいい……んっ』
言葉を遮るようにキスが落とされる。必死に舌を絡めていると、腰が跳ねた。イきすぎて身体がおかしくなってる。イくまでの間隔が短くなってるし、私がイってもジンがイくまで止まってもらえない。
「っ、あ……」
『んああっ!』
ナカに欲が吐き出される。それが広がるのをなんとなく感じた。もう体力持たない……。
「寝るな。まだ終わってねえ」
ジンが抱えた私の脚をパシンと数回叩く。
『もうむり……』
「煽ったくせに何言ってやがる」
『ねえ、ほんとに……また別の日に……』
「足りねえ」
『んあ……っ』
奥を突かれて声が漏れた。
「今まで本気で向き合ってこなかった分、ちゃんと取り戻さねえとな……」
ジンは楽しそうに笑う。これはまだまだ終わりそうにない……。
その後、何度イったか……途中意識を飛ばしても、攻めることをやめてくれなくて、なんども無理矢理意識を戻されてまた落ちて。
ぼんやりとした意識の中、何度もジンに好きだと言って。何度も名前を呼ばれて。こんな気持ちになれるのは、今日で……。