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【名探偵コナン】黒の天使

第78章 甘い※


『っ、ねえ、ジンっ……!』

「……」

『ねえってば!!』

ジンの両肩を強く叩く。そうすると、口と指の動きが止まった。でも、なんだと言わんばかりの視線が向けられる。今度はジンの肩を思いっきり押し退けた。思いの外、すんなりと身体が引かれたのでその隙に私も身体を起こして後ずさる。

「……嫌か」

『嫌じゃないけど……ジン、帰ってきてからなんか変だよ』

「……」

この機嫌の悪さの原因は取引だけではないのだろう。

『何があったか聞いてもいい?』

「……」

『無理にとは言わないけど、でもそのまま機嫌が悪いのは嫌だよ』

ジンは俯いたまま何も言わない。肩をすくめてジンとの距離を詰め、その顔に手を伸ばす。頬に触れて下から覗き込んだ。

『……私を抱いて解消できることならいいけど、たぶんそうじゃなさそうだし』

「……」

ぼんやりとジンがここに帰ってきてからのことを思い出す。抱き締められて、寝るのを促したらキスマークに気づかれて……もしかして。

『……キスマークのこと?』

ジンの頬がぴくりと動いた。

『バーボンと何かあった?……っ!』

ジンの顔が上げられたかと思ったら強く押し倒された。状況を飲み込むより先に下の口に指がはわされ、ナカに入り込んでくる。ジンがバスローブを脱ぎ捨てているのが目に入った。

『まだ話してる……っ』

「黙れ」

何回か往復した指はすぐに抜かれ今度はジンのモノが当てられる。

『まっ……っああ!』

奥まで貫かれて、休む間もなく抽挿が始まる。

それでも、やっぱりいつもと違う。ナカを擦られるだけで気持ちいいのだけど、今は……耳を舐められて胸を揉まれて身体中を撫でられる。ここ最近の抱き方とは全然違う。

優しいというか、甘い。なんか……初めて抱かれた時みたい。

『ジンっ、あ、イく……っ』

快感が駆け抜けて身体が震える。抽挿も一度止まった。

『はぁ、はぁ……』

荒い呼吸を繰り返す唇をジンの舌が舐める。そのまま口内まで入ってきて、歯列や私の舌をこれでもかと攻め立ててくる。

「誰にも渡さねえ……」

ジンの小さな呟きに微笑んだ。

『私はジンのものだよ……大丈夫』

ジンの頬を両手で包んで言ったものの……どうにもジンの顔色は晴れないままだ。

『私がバーボンを選ぶことはないから……ね?』

そして、ジンの顔を引き寄せて唇を重ねた。
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