第59章 XXX ※
その中でも……腐ったシェリー酒。それが何を意味するのかを考えるのは難しくない。それならば……早いうちに手を打たないと。数日後のディナーは気が抜けそうにないな。
小さくため息を漏らし、シャワーを止めようと手を伸ばす。と、ほぼ同時にバスルームのドアが開いてジンが入ってきた。
『へっ……』
「悪ぃか」
『えっ、や、ぜんぜん……わ、私は終わったから』
ジンの横をすり抜けて……無事にそこから抜け出せるわけもなく。腕を掴まれてそのまま壁に押し付けられた。ジンが使う、と思って出しっぱなしにしたお湯がどんどん髪を濡らしていく。そんな私をジンは見下ろす。
『……何?』
「……足りねぇって言ったよな」
『ちがっ……まだできるって言っただけ……!』
「ならいいだろ。付き合え」
『まって……!っ、あ……』
静止の声も聞かず脚の間に入れられた手は、私のナカに指を差し込む。私の腰が引けそうになったが、それは背後の壁に阻まれる。ナカは拒むことなく指を簡単に受け入れてしまった。数回擦ってすぐに指が抜かれる。が、そこでジンの動きが止まった。
「……」
『ジン……っ、わっ!』
急に片脚を持ち上げられて入口にジンのモノが当たる。膜を隔てない、ダイレクトに当たる熱に少しだけ身体に力が入った。
「……ナカには出さねえよ」
耳元で囁く声に小さく頷く。すると、ナカへゆっくりとソレが進められる。
『う、あ……』
ジンの首に腕を回してしがみつく。片脚で不安定であるのももちろんなのだけど、それよりも最奥に当たる熱。この体位は何回やっても気持ちよすぎておかしくなる。
「力抜け。動きにくい」
『や、むり……っ!』
「ったく……」
呆れたように呟いて、ジンの唇が私のものと重なった。ジンの舌先で歯列をなぞられて、身体がビクッと反応した。ナカの入れられたモノもゆっくりと抽挿を始めた。
『んっ、ふ……』
喘ぐ声はキスに飲み込まれた。酸素が回らなくなってきて、頭がぼーっとしてくる。絶頂もすぐそこに迫っていた。
『っ、あ……イっちゃう……』
やっと唇が離れてそう声を漏らすと抽挿が速くなってくる。そして
『っ、あ……ああっ!』
達した身体がビクンと震えた。立っている脚の力も抜けそうで、でもジンの手が片脚を持っているせいで崩れ落ちることもできない。