第32章 忘れたい※
バーボンの少し冷たい手がお腹の傷に触れた。そのままゆっくり上へ上がってくる。胸の下の部分を指がつうっ……となぞる。
ちゅっちゅと軽いキスを繰り返し、閉じていた目を開くと視線が交わる。バーボンはフッと笑って、私の薄く開いたままの唇を舐めた。
「本当に抱いていいんですね?」
『……うん』
そっと押し倒されて、キスをする。
「……可愛いです」
バーボンの顔が首元に寄せられて、何度もキスが落とされる。手が身体をゆっくり撫でていく。胸の膨らみが始まるところを手が包むように触れた。指先に徐々に力が込められて、やんわりと揉んでいく。
「緊張してますか?すごくドキドキしてますね」
『……するの久しぶりなの』
「それなら、優しくしないといけませんね」
胸にある手が中心近くまでくる。それなのに先端には触れてくれない。もどかしくて身体を捩る。
『……ねえ』
「なんですか?」
『優しく、してくれるんでしょ……』
「もちろんです」
『……それなら触ってよ』
「触るだけでいいですか?」
『っ……好きにしていいから』
「わかりました」
カリ……と胸の先端を爪が掠った。それだけなのに、欲しかった刺激が与えられて身体の芯が痺れる。片方はそのまま爪で擦られて、もう片方には舌が触れた。
『んっ……』
舌の広い面がゆっくりと舐め上げていく。かと思えば舌先が先端をつついて、周りをぐるっとなぞる。
バーボンとするのはこれで2回目になるのだけど……それなりに期間が空いたせいなのか、それとも物覚えが良いのか……確実に上手くなってる。久々のセックスということもあってか、キスと胸への刺激だけで十分過ぎるくらい濡れているのがわかった。
私のズボンに手がかけられて、抵抗する間もなくスルスルと下着も一緒に脱がされる。指が入口を擦った。
「やっぱり胸好きなんですね。もうこんなに濡れてますよ」
『……だって気持ちいいもん』
「それはよかったです」
くちゅくちゅ音を立てて指が上下に擦る。そしてゆっくりと指が入ってきた。
「……ここの上のところと外、一緒にするの好きですよね」
『うっ、ああっ……!』
ぎゅうっとナカが締まる。指の動きは激しいわけじゃないのに、確実にいいところを攻められる。
『あっ、まって……イッちゃう……』
そう言うとナカの上をグッと指が押した。