第32章 忘れたい※
『んっ!あああっ!』
腰がビクンと跳ねた。ナカがうねりながら指を締め付ける。
「今日はちゃんと言えましたね」
額にキスを落として微笑むバーボンから恥ずかしくて目を逸らした。この間のことを言ってるんだろう。意識してたわけじゃないけど、イクって言わなかったらまた何度もイかされたんだろうか……。
「……思い出してるんですか?さっきからナカがヒクヒクしてますよ」
『ばかっ……!』
「素直じゃないのも可愛いです」
今度は頬にキスが落とされる。そして僅かにナカに入った指が動かされた。
「……ここ、舐めてもいいですか?」
『へっ?』
返事を待たずにバーボンの顔が、身体中にキスを落としながら下がっていく。
『あ、えっ、まって!』
慌てて身体を起こしてバーボンを止める。
「駄目ですか?」
『だめっていうか……その……』
もちろん何度もされたことはあるのだけど、快感より羞恥が勝ってまともに感じたことがない。何より、その綺麗な顔を汚しかねないことが……。
そう言うとバーボンは耐えられない、というように笑いだした。
『ねえ、私は本気で言ってるの!』
「わかってますよ……本当に可愛い」
『き、汚いし……恥ずかしいから、あまり好きじゃないの……』
「汚くないでしょう。さっきシャワー浴びたんですから」
『そういう事じゃなくて……』
「それじゃあ、やってみてどうしても嫌なら言ってください。その時はやめますから」