第28章 女子会
そこから更に10数分後、目的のホテルに到着。
『着いたよ。明美、起きれる?』
「うーん、ごめん。寝てた」
『いいよ、気にしなくて』
荷物を取り出し、3人で並んでエントランスへ向かう。
「ねえ、ここってもしかして……」
『今日くらい贅沢したって大丈夫よ』
「よく部屋取れたね……1ヶ月前にオープンしたばかりなのに。予約も全然取れないって」
『まあ、その辺は……ね?』
キラキラと目を輝かせながら周りを見る明美。その姿に嬉しくなった。
受付を済ませてキーを受け取る。そして、エレベーターで目指すは最上階。
『志保?どうかした?』
ここに着いてから一言も発さないから、心配になって声をかけた。
「ううん。2人と一緒にいられるの嬉しくて」
『ふふっ……私も』
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ルームサービスで軽めの食事を頼んで、その間にお風呂にはいる。ジェットバスだ!なんて明美は大はしゃぎ。お互いに髪を乾かし合った。志保は短いから割と早く乾いたし、明美も長めではあるけどそんなに時間はかからなかった。
「亜夜姉、髪切らないの?」
「すごく綺麗な髪してるからもったいない気もするけど、毎日大変じゃない?」
『うーん、しばらくはこのままのつもり』
……ジンに切るなって言われたし。
「ねえ、ここ赤くなってるよ。虫刺され?」
『え?あ、ああ、たぶん……』
「どっちかっていうと虫除けでしょ」
『ちょっ、志保!』
「どういう意味?」
「明美は気にしないで!」
なんてしてる間に頼んだ食事が届く。色んな種類を少しずつ。時間も時間だから、あまりガッツリは食べれないし。
これが、所謂女子会というものなのか。すごい楽しい。
明美と志保と一緒に食事をしながら色んなことを話す。電話やメールでは伝えられなかった話題は、しばらく尽きそうにない。
『志保、休暇どのくらいあるの?』
「とりあえず1ヶ月」
「いいなぁー。それだけ時間あればいろいろできるね」
『何かやりたいことあるの?』
「バイクの免許は取りたい……かな。ハーレー乗りたい」
『いいじゃん。上に話せば取らせてくれると思うよ』
「亜夜姉はバイク乗る?」
『最近はあんまり……どうしても車の方が使い勝手がいいから。免許取れたら私のやつ好きに乗っていいよ』