第2章 新たな組織と曲者たち
「……と、ここのラボは科学者達が研究している所。薬だったり、爆弾なんかを作ってるわ」
建物内を案内されるが、前の所より広くて設備もしっかりしてる。人も多い。
やっぱり先にご飯食べればよかった……。こんなに丁寧に案内してもらえると思わなかったから……と先程の選択を少し後悔した。
「そして、ここが射撃場」
と開かれたドアの向こうには、ずらりと並べられた拳銃とライフル。
「ここに置かれている物は好きに使って……持ち出しはNGだけど。自分の物があるなら、それを使ってもいいわ」
『わかった』
使える銃が多いのは嬉しい。今度来た時使ってみよう……と思ったところでベルモットが言う。
「せっかくだし、撃ってみたら?自分の銃持ってるでしょ?貴女の腕がどれくらいなのかも見てみたいし」
「そうね、私も気になるわ」
……2人にそう言われては断りにくい。そう思いながら1番端のレーンでベレッタを構える。人型の的に狙いを定め、右脚、左肩、腹部、頭の順に撃ち抜いてく。距離感が違うせいで狙いより少しずつずれたが、及第点といったところだろうか。
すると、うしろでピュウと口笛の音がした。
「へえ、なかなかいい腕してるじゃない……期待以上だわ」
「本当ね、ラムが喜ぶわ」
『そうかな……ありがとう。褒めてもらえるの嬉しい』
そう言うと2人は微笑んだ。
それじゃ、行きましょう、とキュラソーが歩いていく。その先にあったのは、かなり広そうな部屋。中から声が聞こえる。
「ここは訓練室……闘技場って呼ぶ人もいるわね。護身術とか体術の練習をするところ」
扉を開くと、何人かに囲まれた男がいる。あれは……アイリッシュだ。
「どうした、もう終わりか?なら、こっちから……」
そう言うとあっという間に全員倒してしまった。あの人、強い……。そう思っているとこちらに気づいたアイリッシュが近づいてくる。
「さっきの嬢ちゃんだな?亜夜って言ってたか」
アイリッシュはニヤッと笑う。それじゃ……と視線を向けられる。なんか嫌な予感。
「どうだ、ひと勝負しないか?」
こいつらじゃ相手にならねえから……。そう言われても気が進まない。初めてだ。絶対に勝てない、そんな相手に出会ったのは。
「大丈夫だ、本気でなんかやらねえよ。こいつらよりずっと骨がありそうだけどな」
ちょっとカチンときた。