第2章 新たな組織と曲者たち
モニターが再度切り替わる。
「あなたには、ここにいる者の任務に同行して貰う。いずれ幹部となるだろう……期待している」
私は頷くことしか出来ない。背筋の悪寒は消えそうもない。
「……ラム。わざわざ俺たちを呼んだ理由はなんだ」
ジンが言った。空気に緊張が走る。
「亜夜のことを伝えるため。その子は異例だ。それに、任務に同行することは知っていた方がいい」
「そいつに何ができる。おもりは御免だ」
「全員を集めて話をしろと、あの方の指示だ。もちろん任務への同行についても」
ラムの言葉にジンだけでなく、他のメンバーの表情が変わった。
「何か他にあるか?」
そう言っても誰一人声はあげない。
「……それでは終了する。亜夜の同行については、任務の通達時に知らせる」
そう言ってモニターが消えた。
しばらくの沈黙の後、ベルモットが口を開いた。
「命知らずもいいところよ亜夜……今回は初めてだからいいけど、ラムに口答えするのはおすすめしないわ」
「ハッ、まったくだ……行くぞウォッカ、テキーラ」
そう言ってジンが立ち上がる。
『あ、待って……ジン』
なんだと言わんばかりの視線を向けられる。
『あの……昨日のこと……』
「なんだ、まだ怒ってんのか」
『ううん、違う。お礼言いたくて……』
「……」
『あのままだったら私撃てなかったから……酷いこと言ってごめんなさい。それと、代わりに始末してくれてありがとう。助かった』
「……行くぞ」
何も言わないまま出ていってしまった。
「アンタ変わってるねえ……あんなヤツに礼なんか言わなくていいのに」
キャンティが声を掛けてきた。
「まあ、これからよろしく頼むよ亜夜。アンタ面白そう」
じゃあねと手をヒラヒラさせて出ていく。その後ろに続くコルンとカルバドス。
「では、私も……」
とピスコも出ていった。
「あ、待ってくれ、ピスコ」
アイリッシュが慌てて追いかけて行った。
「さて、どうしようかしら……1回部屋に戻る?食事まだだったわよね」
「あら、そうなの?案内するようにラムに言われたんだけど」
ベルモットとキュラソーが言う。
少し悩んで、先に案内をお願いした。