第24章 手解き※
『ベビーフェイスの割に身体はしっかりしてるのね』
はだけたシャツの間から見える肌に指を触れる。筋肉の付き方からして、かなり鍛えているようだ。
「くすぐったいです……」
『楽しんでもいいけど溺れないでよ……私のことはターゲットだと思って。飲まれたら作戦失敗よ」
「……お手柔らかに」
『するわけないでしょ。ターゲットになるような女って手が早いのよ……すぐ脱がせてこようとするから』
「ちょっと気になったんですけど……今まで女性がターゲットの場合は誰が相手していたんですか?」
『……ベルモットか私が男装していくのよ。他のメンバーでハニトラできるような人いないでしょ?』
男装するのは嫌いではない。ただ、任務の内容だったり相手の女にもよる。いくらなんでも最後まではできないから、その誘いをかわし続けるのが1番面倒だったりする。
『……どうしても止められないようなら、薬使って』
そう言って胸元に仕込んである薬の小瓶を3つ取り出す。
『睡眠薬、媚薬、これは……痺れ薬だったかな?分量間違えると喋ることもできなくなるから気をつけて』
「自白剤とかないんですか?」
『あるにはあるけど……よっぽどのことがない限り使わないわ』
バーボンの首元に顔を寄せて舌先でつぅっ……と舐め上げ、片方の手で胸の先にそっと触れる。それだけでビクッと反応するから面白くて仕方ない。
『初心な反応するわね。そんなんじゃこの先持たないわよ』
ベルトに手をかけて外そうとした。しかし、慌てたように身体を起こしたバーボンにその手を掴まれる。
「貴女は脱いでくれないんですか?」
『なに、見たいの?』
「否定はしませんが……任務の時もこうなんですか?」
『相手次第ね……それに今日は傷跡隠してないから見たら萎えると思うけど』
いつもなら傷跡を隠していく。組織の科学者達が作ってくれたそれ専用の物。傷の上から貼れば目立たなくなる上に、肌の感触も変わりないという優れ物。
「傷跡……だけですか?」
バーボンが私の首に触れた。
「キスマーク、きっとここだけではないんでしょう?」
『……そうかもしれないわね』
いつの間にか背中に回された手が、ドレスのファスナーを下ろしていく。
『ちょっと……』
「大丈夫です。萎えたりしませんよ……貴女が相手なんですから」