第2章 新たな組織と曲者たち
翌日
「おはよう、ゆっくり休めたかしら?」
『……おかげさまで』
目を開くとベッドの横にベルモットが立っているから驚いた。……鍵かけたつもりだったんだけど。
「ノックしても出てこなかったから、まさかと思って入ってきたのよ」
とピッキングの道具を見せた。
ノックの音にも、鍵が開けられたことにも全然気づかなかった。昨日はいろいろあったせいで思ったより疲れていたのか。
「身支度できたら行くわよ……食事は悪いけど、招集が終わってからにして」
そう言われて慌てて準備をした。
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『招集……ってよくあるの?』
「滅多にないわよ」
そんな重要な集まりに何故私が参加するのか……。
「今回は異例なのよ。ボスとラムの指示だから従わざるを得ないって感じ」
『……私が出ていいもの?』
「貴女がいないと駄目、と言うか貴女が来たからよ」
話していると大きな扉の前に着いた。ベルモットが扉を開けると、既に何人かいる。 私とベルモットは入ってすぐ右側の方へ行く。
昨日会ったキャンティ、コルン……その隣にいるのがカルバドスだろうか。そして、キュラソー。彼女は目が合うと微笑んでくれた。
「まだ揃ってないのね」
ベルモットはため息をついた。
「さっきアイリッシュに会ったわ。もうすぐ来るはずよ」
「アタイ、テキーラを見かけたよ……ジンと一緒に来ると思うけど」
キュラソーとキャンティが言う。
しばらくして、1人の男が来た。
「あら、アイリッシュ。来ないかと思ってたわ」
「今回はな……」
アイリッシュはそう言って私達とは反対側へ行った。彼は私と目が合って、ニヤッと笑みを浮かべた。
そして、次に来たのも男性。だが、いくらか老いている。まさか、この人も……?
「ピスコ、どうしてここに?」
ベルモットは驚いているようだ。
「あの方の指示ですので……そちらの方が?」
「そうよ、後々説明があるわ……」
そうですか、と私へ頭を下げ、扉のすぐ横に立った。
と、バタンと大きな音がして扉が開いた。入ってきたのは、昨日の男……ジンとウォッカ、もう1人がテキーラだろう。
「……やっと揃ったようだね」
前の方にあるモニターがひとりでについた。そこにあった名前は……
『ラム……』