第16章 再度4人……
「もう任務も終わったんだし、名前で呼んでもいいか?」
『……いいけど』
「じゃあ俺達も名前で呼んでくれ。名前知ってるよな?」
『もちろん』
「終わりましたよ……何の話ですか?」
そこに現れたバーボン……いや、今は透か。
「名前で呼んでくれって話」
「ああ……前に言ってましたね」
『とりあえず部屋行こうよ』
妙に視線を集めている気がしてそう言った。女1人、男3人の組み合わせっていうのもあるのかもしれないけど……3人とも顔はいいからな……。
今回の部屋は4人部屋。そんな気はしてたけど……特に何もないだろうし。
『あ、バーがあるんだ。後で行こ』
「亜夜さんってお酒飲めるんですね」
『それなりに……そのさん付け辞めてくれない?』
「亜夜でいいですか?」
軽く首を傾げながらニコッと笑う。この顔に落ちる女はどれだけいるんだろう……。
「へえ……ダーツとかビリヤードもあるみたいだぞ」
荷物を置いてそのままバーへ向かった。時間の割に賑わっている。
『モヒート1つ』
そう言ってカウンターに掛ける。隣には透が座った。唯と大はビリヤードの方へ向かった。
「モヒートなんて……誘ってるんですか?」
『好きなだけよ……変な深読みしないで』
カクテル言葉は"心の乾きを癒して"だったか……少し前まではそうだったけど。
『何も頼まないの?』
「ええ。貴女を口説きたいので」
『馬鹿言ってないで……』
「本気ですよ」
そう言って頬をさらりと撫でられる。
「まあ……今は揺らいでくれなさそうですが」
『当たり前でしょ』
「大切な相手でもできたんですか?雰囲気がだいぶ変わりましたよ」
『……』
明美にも言われたけど、そんなにわかりやすいだろうか。そう思いながら目の前に置かれたモヒートに口をつけた。
「いつか振り向かせてみせますよ」
『できるものならやってみなさい』
唯と大の勝負は早くも終盤のようだ。2人とも腕はいいみたい。
「せっかくですし……何か勝負しませんか?」
『勝負?』
「ええ。勝った人の頼みを1つ聞くってことで……」
『遠慮するわ』
室内を見回すけど……どれも勝てそうなものばかり。そんな勝負受けてもつまらない。
『3人でやったら?』
戻ってきた2人を指さして言った。