第16章 再度4人……
『……ってあの子に聞いたんだけど』
「事実だ」
『本当に……電話くらいしてあげたらどうなの』
「……努力はする」
「こんな奴に言うだけ無駄ですよ」
「君と話はしていないが」
今日もまた4人での任務。今回は私が車を出した。渋られたけど前回のようなことになると面倒だし、今回も何故か1泊するらしく、荷物あっても大丈夫でしょと押し切った。
目的地はちょっと遠くて高速に乗って行く。こんなに距離を走るのは久々で気分が上がる。
『ちょ……車内で吸わないで』
タバコを取り出したライに言う。
「ん。飴でも食ってろ」
スコッチが後ろから手を伸ばしてくる。ライはそれを受け取って口に放り込んだ。
今回の任務は科学者の勧誘……というか引き抜きの交渉。今組織にいる人達も十分優秀なんだけど、もっと人数を集めるつもりらしい。
それと武器の取引。二手に分かれるのだけど、まだ割り振りを決められていない。ライとバーボンのせいなんだけど。スコッチも毎回大変だろうな……。
「一度休憩したほうがいいんじゃないですか?」
「そうだな。出発して結構経つだろ」
確かにそうかも。時間に余裕もあるしちょうど見えたSAに寄った。
『……それじゃ30分後に』
そう言うと散り散りに出ていく。私はライについて喫煙所へ行った。
『1本ちょうだい』
「いい加減自分で買ったらどうだ」
『……全部吸われるから買わないの』
最近自分用に1箱タバコを買ったのだけど、自分が吸えたのは1本だけであとは全部ジンが吸ってしまった……同じ銘柄にした自分も悪いのだけど。
ライは呆れたような顔をしながらも1本差し出してくれる。それを受け取って火をつけた。
『……これ好きかも』
細かい違いまではわからないけど、ジンのやつより好みの味。
『そういえば……』
「ん?」
『この間は助かったわ……ありがと』
「……ああ」
『借りつくっちゃったし……どこかで返すから』
「あまり気にしなくていい」
『駄目。絶対返すから忘れないで』
そこからはライに運転を代わってもらった。
「……この車いいな」
『そう?一目惚れして買ったの』
「次はこれにしようか……」
『……せめて色は変えてよ』
「なあ、それよりどう分かれる?」
不毛なやり取りの後、バーボンとスコッチが勧誘、ライと私が取引になった。