第15章 弁解と命令※
驚いて目を開くと至近距離でジンと目が合う。そこで先程まで抱かれていたことを思い出した。
「他に言うことは?」
口が離れてニヤッと笑うジン。言いたいことなんていっぱいある。でも、それを言ってしまえばジンの隣に立つことは永遠にない気がした。
『……ない』
「たくさんあるって顔に書いてあるが?」
『ないってば』
「なら……口を割らせるまでだな」
『っ……できるものなら』
「その言葉、覚えとけよ」
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『っ……ああっ!もうやだっ!』
「なら言え」
どれだけ時間が経ったか。あれから身体中を愛撫され、ナカを指で……ジンのモノが入れられて何度も奥を突かれてるのに、まだ1回もイケてない。情報収集で私もよく使う手だ……されるのは初めてだけど。
ゆるゆると中を擦られる。気持ちいいのにそれを解き放てない苦しさ。思っていることを言えば楽になれるのはわかってる。それでも怖くて言えない。ジンが離れていってしまいそうで。
『ああっ……!』
再度奥を突かれる。ジンの顔も余裕がなくなってきているように見える。ジンこそ一度もイケてないのだから。
「ったく……強情だなっ……!」
『ああっだめっ……いっ……』
「まだだ……」
『っ……』
また動きを止められる。もう何度目だろう。
イケない苦しさと怖さで感情がぐちゃぐちゃになって、どうにか堪えていた涙が目の端から落ちていく。一度出始めたら止まらなくて次々に溢れてくる。
「……そんなに言えねえことか」
涙を指で乱暴に拭われた。その悲しげなジンの声にどうしていいかわからなくなる。
「お前は……何を抱えこんでる」
『……それを言ったら……そばにいてもいい?』
出した声は震えていた。視界は涙で歪んでジンの表情がわからない。
問いに返事はなかった。もう会えないのかもな……それをジンが望まないなら仕方がない。離れるしか……。
大きく息を吐き、目を合わせることなく口を開いた。
『……苦しかった。近づくなって言われて……』
「……」
『どうして怒ってるのかわからないし、会いたかったけど怖くて……ずっと我慢してた』
ジンは何も言わなかったけど、溢れ出した言葉は止まらなかった。
『もう……どうしようもないくらい……ジンが好き……』
嗚咽を抑えるように手で顔を覆った。