第15章 弁解と命令※
抜き差しされるのはゆっくりなのに、確実に奥を突かれるから思考がどんどん鈍っていく。時々グッと奥を圧迫され、苦しいのに気持ちよくて仕方ない。
はしたない喘ぎ声と肌がぶつかる音。それを気にする余裕なんてなくなった。
「……首に腕まわせ」
言われるがまま、崩れ落ちそうな身体を支えるためにその首に腕を伸ばす。距離が縮まったかと思えば突かれる速度が上がった。
『はあ……ああっ!そこっ……』
「っ……締めすぎだ馬鹿」
ジンの顔が少し苦しそうに歪む。今その顔をさせてるのが自分だと思うと何ともいえない気持ちに……
「考え事か?余裕だなっ……」
『ひっ……あっ、ああっ!!』
奥を抉るように突かれる。もう……だめ……!
訴えるように顔を上げるとキスされる。舌を絡めて貪るようなそれに必死にこたえた。
『んんっ……!』
その瞬間快感が突き抜けた。身体が震えて力が抜ける。
『はあ……はあ……』
息が整わない……ジンのソレが抜かれ脚が下ろされるとそのままそこにへたりこんだ。
「おい」
『ほんとにむり……立てない』
「ったく……」
呆れたように舌打ちされ横抱きにされた。しかし、バスルームを出たかと思えば、ろくに身体も拭かれずおろされたのはベッドの上。
『ちょ……ぬれちゃう……!』
慌てて起き上がろうとしたけど、それを阻むように上に乗られる。
「毎回毎回……てめぇだけで終わらねえって何回言ったらわかるんだ?」
『だからって……』
「立てねえって言ったのてめぇだろ」
確かにそうだけど……ジンのペースに合わせてたら身体なんていくつあっても足りない。
身体を上からなぞられれば、先程の快感も相まってビクビク反応してしまう。
『んっ……あっ……』
触れてるだけなのに声が漏れる。そのまま下りて行くかと思ったらある一点で手が止まる。傷跡のある場所で。
そういえば撃たれて以降抱かれてないもんな……ジンに傷跡を見られたのは昨日が初めてだろう。
『……まだ気にしてるの?』
身体を起こして傷跡に触れている手に自分の手を重ねる。
「忘れるわけねえだろ……」
力のない言葉に胸がギュッとなる。たまらない気持ちでジンにキスをした。
『気にしなくていいの。これは私の誇り……貴方を守れた証なんだから』
そう言うとジンの顔は、なぜか悲しそうに歪んだ。