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【名探偵コナン】黒の天使

第15章 弁解と命令※


亜夜side―

私何してたんだっけ……。

目を覚ますと見慣れない部屋。強いタバコの匂いで徐々に昨日のことを思い出す。部屋の主の姿はなく、少しほっとした。

ライに変な借りつくっちゃったな……。本当は嫌で仕方なかったけど、ライが触ってくれなきゃどうなっていたか……不本意だが助けられたのは確かだ。

その後なぜかジンがいて、部屋に連れてこられて、キスされて……。そこからの記憶が全くない。きっと抱いてもらったんだろうけど……久々なのに覚えてないのが残念。

『お風呂……』

身体を流したくて起き上がろうとするけど、今までの比じゃないくらいの腰の重さと怠さ……加えて手の痛み。包帯を取ればかなり深めの傷。

ジンがいつ戻ってくるかわからないが、顔を合わせる前にここを出たい。重い腰をどうにか上げてバスルームへ向かう。

『わぁ……』

バスルームは綺麗な内装でバスタブには湯が張られている。帰りたい気持ちもあったけど、その誘惑に負けて湯船に入った。

にしてもなんでライはジンに連絡したんだろう……。任務の移動中に話したからかな……。

―その顔だと片思いってところだな。

『……ムカつく』

ライに言われなくたってわかってるし……それが叶わないことも。都合のいい関係でよかったはずのに、どうしようもないくらい気持ちが大きくなってる。離れたことで余計にそばにいたいと思うようになった。

でも、何でジンのこと好きになったんだっけ……?ベルモットに言われたことで自覚したけど、きっとそれより前に何かあったはず。1番のきっかけってなんだろう……。

その時外に人の気配がした。まずい、ジンが帰ってきたのかも……考え事をしていて時間の意識がなかった。さっさと出て謝って帰ろう。

ガチャ

湯船から上がろうとしたところでドアが開き、ジンが入ってくる。

『えっ……あ、ちょ……』

言葉にならない声が出る。視線が会うことはなく、ジンはそのままシャワーを浴び始める……何考えてるの?

でも、いつまでもこうしてるわけにはいかないし……。

『ごめんっ……出るね』

身体はまだ重いけど、そんなこと言ってる場合じゃない。この空間に居続けるのは無理。

ジンの横をすり抜け出ようとした……が、その瞬間腕を掴まれる。

『えっ……』

そのまま両腕を取られ壁に押し付けられた。
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