第14章 苦しさよりも※
「……ったく」
呆れたようなライの声がしたかと思うと、横抱きにされ助手席へ乗せられる。ライも運転席へまわった。
「手、見せろ」
どうにか手を差し出す。目をギュッと瞑り、熱を抑えようとする。
「応急処置くらいしかできない。後でちゃんと見てもらえ」
そう言って手に触れられる。それだけで身体が反応する。
『んっ……』
気持ちいい……もっと……なんて欲が湧き上がってくる。
包帯をキュッと強めに巻かれた。さっさとアジトに戻って部屋に籠るしか……と思うけど車が動く気配がない。
『早く……帰らせて……』
息が荒くなっていく。時間が経つほどしんどくなる。
「どこへ行けと?」
『待ち合わせたとこでいいからっ……』
目をうっすら開くと同時に顎を掴まれる。
「こんな顔をして、ろくに歩けもしない女が無事に帰れると思うか?」
『ライにはっ……関係ないでしょっ……!』
「……相手してやろうか?」
そう言うとシートが倒され、ライが覆いかぶさってくる。
『いや……やだっ……!』
首に息がかかる。押しのけたいのに全く力が入らない。喉元を舐め上げられると同時に服のファスナーが下ろされ、直に手が触れる。それだけでもうおかしくなりそう。
下に手が伸ばされる。自分でもわかるくらい濡れている。下着越しに数回撫でられ聞こえる水音。
『ああっ……』
そのまま下着をずらされ指が直接触れる。クチュクチュと響く音はどんどん大きくなる。
気持ちいい……。
ビリビリと走る快感に飲まれる寸前、頭をよぎったのは……。
下を触る手を両手で掴む。爪を立てたけど力は入っていない。
『あ……明美が悲しむ……からだめ……っ』
どうにか絞り出したその言葉にライの手が止まり、目が見開かれていく。
「なぜ……」
『だから……やめて……』
本当はイきたくて仕方ない。でも、明美を裏切るような真似はできない。あの子がどれだけライのことを……。
『あああっ……やだっ……!』
「数回イカせるだけだ……最後まではしない」
再び始まる指の動き。ナカを擦られ敏感なところを撫でられればすぐに限界が訪れた。
『んああっ……イ、くっ……』
身体が跳ねる。そのまま続けて何回かイカされた。指が抜かれるのをぼんやりと眺める。
「……少しは楽になったか」
そう言われて小さく頷いた。