第1章 出逢い
『学校にはもう……、私の居場所はないんです…』
いつからか、誰からも相手にされず
手を伸ばせばはたき落とされた
行く先々で突き刺さる冷たい視線
私は…ここにいてはいけないのだろうか
誰か
教えて…
彼女の心の奥底に秘めていた心の叫びが
俺の胸に突き刺さった。
「ごめんなさい…こんな話して」
話終わると、花里は俯いてしまった。
俺は、何と言っていいか分からなかった。
今までこの子は訳も分からず拒絶され、辛いのを我慢して耐えてきたのか…
「…悪かった、辛い話をさせて」
俯いたまま、花里は大丈夫だと首を横に振った。
甘やかすように、俺は花里の頭を撫でてやる。
「ずっと、頑張ってたんだな」
俯いていた彼女はハッと顔を上げた。
「私、頑張った…?」
「あぁ、頑張った」
「そっか…へへ」
そう言って笑った顔は、まだ大人に成りきれない、幼さの残る可愛らしい笑顔だった。