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君に出逢えて、恋をして 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第5章 あの時…



「分かった。さっきも言ったが、俺も受かるつもりだ」

「それならいい。死ぬ気で受かれ」

「承知」


あの3人が俺の特訓をしてくれると言うのだ。
もう受かる気しかしない。

花里が不安そうにしていたのを一度見ているので、俺も伊黒もちゃんといるぞと早く言ってやりたくなった。


「そろそろ戻ろう。大分待たせてしまっている」

「あぁ」


伊黒に促され、花里達の待っている場所まで戻る事にした。


「待て冨岡」


戻ると言ったり待てと言ったり、一体どっちなのだ。


「戻る前に一つ聞いておきたい事がある」

「なんだ」

「お前…、柚葉の事はどう思っているんだ?」

「……」


どうと言われても…


「答えねばならないのか?」

「そうだ」

「なぜお前に言わなければならない」

「俺は柚葉の兄として聞いておく義務がある」


…それ義務なのか?

喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。


「返答次第では殴るぞ。…なんだ、答えられないのか?まさか貴様、柚葉を誑かしているのか⁈」

「俺はそんなに器用じゃない」


そんな事が出来るなら俺はこんなに人間関係で悩む事はなかっただろう。
そして今、“お前“から“貴様“にまた戻っている。
俺が何か納得するような事を言わなければ、また振り出しに戻ってしまいそうだ。

…厄介な兄だ。

しかし、どう答えるべきなのだろうか。
殴られたくはない。
正直に、今思う事を言っておいた方が良さそうだ。
それに、花里の事で俺は嘘はつきたくない。


「いい子だと思う。好きか嫌いかで言うならば…好きだ」


“好き“と言う単語が自分の口から出た事に、多少気恥ずかしさを感じてしまう。
ただ、それを口に出した事で、俺の中でモヤモヤしていたものがスッキリとしたような感覚に陥った。

ずっと分からなかった自分の気持ちに名前が付きそうな、そんな予感がする。


「お前の言う好きとはどういう意味だ」


更に突っ込んだ質問をしてくる伊黒。

まだ言わせるのか。
もう勘弁してもらいたいのだが。




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