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君に出逢えて、恋をして 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第5章 あの時…



「なんと言えばいいか分からないが、…一緒にいると楽しい。今日だけとは限らず、また一緒にどこかへ行きたい。…そばにいる事を好ましく思っている、というような意味だ」


俺の拙い説明で伝わっただろうか。

伊黒は少し考える素振りを見せた後、「よし」と頷いた。


「まあまぁだが冨岡なりにはよく頑張っただろう。合格だ。では行くぞ」


試験だったのか?
とりあえず伊黒が納得してくれたみたいなのでほっとする。

しかし…
かなり恥ずかしい事を言わされたような気がするのだが。
俺はこの後どんな気持ちで花里に会えばいいのだろうか。

そんな俺の心情などお構いなしで、伊黒はスタスタと歩いて行ってしまう。

……行くか。

半ば追いかけるような形で伊黒の後を追い、今度こそ花里達の待つ場所へと戻った。












「おかえりなさい二人共!」


先に気付いた甘露寺が俺達を迎えると、未だペンギンを見ていた花里も気付いて振り返った。


「おかえりなさい!仲直り、出来ました?」

「あぁ、ちゃんと出来た」

「良かったです!」


自分の事のように喜んでくれる花里に、“今日、頑張って良かった…“と心から思った。


「この後の事だが、このまま分かれて見て回ろうと思うのだが…、それでいいか?」


俺は特に異論はないので、問題ないとひとつ頷く。
甘露寺もそれでいいと返事をした。


「柚葉もその方がいいだろう?」


その方がいい、とは?
何となく気になる言い方だったが、そう言えば俺と一緒に回りたいと言っていたのを思い出す。
きっと伊黒にも言っていたのだろうと納得し、それ以上は気にしない事にした。


「…うん!」


伊黒に問い掛けられ、満面の笑みで返事をする花里。
嬉しそうでなにより。


伊黒と甘露寺が先に歩き始めたのを見届けてから、俺達もペンギンの水槽の前から移動した。


「どこか見たい所はあるか?このまま順路の通りに進んでも構わないが」


そう聞いてみると、花里は少し遠慮がちに俺に言った。


「あの……、行きたい所があるんです」





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