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君に出逢えて、恋をして 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第5章 あの時…



「お前は…分かったのか?」

「はい。伊黒さんがそう言ったのは…“友達だから“…だと思います」

「友達…だから?」


それであんなに怒っているのか?

何故なんだ。
ヒントをもらったというのにますます謎が深まった。


「すまない。俺にはまだよく分からない」

「うーん、じゃあ……直接聞きに行きましょう!」

「……え?」


…今から?


「急ではないだろうか」

「急かもですが、せっかく今伊黒さんがいるのにこの機会を逃すのは勿体無い気もしません?」

「そうかもしれないが…」


心の準備というか、また拒絶でもされたら、今度こそ心が挫けそうだ。


「仲直り」

「…?」

「出来たら、嬉しいですよね」


何か、思うところがあるのか…
どこか遠くを見つめながら、花里はぽつりと呟いた。


「…そうだな」

「喧嘩したままのお二人を見てるのはやっぱり悲しいので、もし仲直り出来たら、私も嬉しいです」


俺も、仲直りができたら嬉しい。

ずっと、伊黒の気持ち次第だと思っていたのだが、待ってるだけではきっとこの先も変わらない。
行動を起こさなさればならない時が、今来たのだ。



よし、行くぞ。


「今から、仲直りをしに行こうと思う」

「はい!行きましょう!」


俺の決意表明を聞くと、花里は笑顔で頷いた。





というわけで、急遽伊黒へ謝りに行く事になったのだが…
大丈夫だろうか。
なんせ7年も経っているのだ。
今更蒸し返されて迷惑ではないだろうか。

俺達よりも先へ進んで行った伊黒たちを追いかける形で、花里と2人館内を歩きながら、頭の中でぐるぐると考えていた。
そんな俺の心境に気付いてか、


「心配しないでください。絶対大丈夫ですよ!」


花里の笑顔は自信満々だった。

どこからそんな自信が…
その溢れる自信を半分程分けて欲しい。

だが不安だらけの俺にとって、掛けてもらえた言葉にとても安心が出来た。

なんだかうまくいけそうだ

そんな気がしてならなかった。


程なくしてペンギンの水槽の前にいる2人を発見する。


シュミレーションなどする暇もなかったが、ぶっつけ本番。

やるしかない。



頑張れ俺。





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