第4章 気付いた恋心
「ねぇいつから⁈いつからなの⁈」
「いつから?んー…、さっき気付いた、かなぁ?」
「そうなの⁈じゃあもしかしてこの前冨岡さんのお家に行った時何かあったのね!聞かせて聞かせて!」
こうなってしまうともう止まらない。
キラキラしたお目々で私を見つめる蜜璃ちゃん。
もう、何をどう言ったらいいか分からないけど…
「初めて会った時ハンカチを借りたんだけど、その後も会いたいなと思ってて。でもそれはそのハンカチを返さなきゃだから、会いたいんじゃなくて会わなきゃだと思ってたんだ」
「うんうん!」
「それで、この前やっと会えたでしょ?私嬉しくて。頭ぽんぽんしてくれるし、ずっとドキドキしててね」
「きゃ〜!頭ぽんぽん⁈冨岡さんて意外と大胆なのねぇ!」
ドキドキよねぇ!と私が何かを言う度に大興奮。
「初めて会って数分でぎゅってしてくれました」なんて言ったら気絶してしまいそうなので、これは内緒にしておこう。
「借りた物返して私の用事は終わっちゃったんだけど、帰りに連絡先交換してね。これで終わりにしなくていいんだって思ったら、私すごく……嬉しかったんだ」
まだ、繋がっていられるのだと安心した。
それを許してくれて、嬉しかった。
「柚葉ちゃんにもそう想える人が出来たのねぇ!私嬉しくなっちゃう!」
「ふふ、ありがとう」
「こういう話も今度から一緒に出来るわね!いつも私の話ばっかりだったからつまらなかったでしょう?ごめんね柚葉ちゃん」
「ううん、2人の話面白かったから、聞いてるだけで楽しかったよ」
「本当?良かった!」
蜜璃ちゃんが「嬉しくなったらまたお腹空いちゃった!」と言った頃には、10枚あったはずのパンケーキがなくなっていた。
いつ食べてたんだろう…
上手に食べるなと感心していると、「あらあら楽しそうねぇ」と蜜璃ちゃんのお母さんが追加のパンケーキを持って登場。
蜜璃ちゃんのお皿にはさっきと同じ10段重ねのパンケーキ。
「お母さんありがとう!」と幸せそうだ。
「柚葉ちゃんもどうぞ」と出されたけれど、お腹いっぱいで食べれないかも…と思いきや。
さっきとは別の、ホイップクリームとブルーベリーの素敵なアレンジ。
美味しそう…
そう思った瞬間、私のお腹はこのパンケーキを収めるべく新たな空間を作り上げた。
恐るべし別腹!