第4章 気付いた恋心
突然来た私を蜜璃ちゃんは快く迎えてくれた。
「昨日も今日も柚葉ちゃんに会えるなんて嬉しいわぁ!」
「ありがとう蜜璃ちゃん。ごめんね押しかけて」
「いいのよ気にしなくて。さぁいっぱい食べてね!」
ダイニングテーブルに着いた私の前には、出来立てのパンケーキ。
バターと蜂蜜がたっぷりかかって美味しそう。
丁度おやつの時間になるので、蜜璃ちゃんが作っている最中に私がやって来たそうだ。
「美味しい〜!」
蜜璃ちゃんは10枚積み重なったパンケーキをぱくぱくとお口へ運んでいく。
相変わらず気持ちの良い食べっぷりだ。
余りにも幸せそうに食べるので、釣られて私も一口ぱくり。
美味しい!
「それで柚葉ちゃん。今日はどうしたの?」
もぐもぐと美味しそうに食べながら、蜜璃ちゃんが私に尋ねる。
なんて、言ったらいいのかな…
「蜜璃ちゃんは…、冨岡さんのことどう思う?」
「え、冨岡さん?そうねぇ、私あんまりお話はしたことないからどんな人かは何となくしか分からないけど、無口よね。でも優しい人だと思うわ。あ、これこの前も言ったかしら?」
「ふふ、聞いたかも」
「やだ私ったら!同じこと言っちゃった!」
あまり話したことないみたいだから、印象薄いのかな?
ゔ〜ん…と唸りながら一生懸命思い出そうとしてくれている。
ごめんね、悩ませて…
「でもどうしたの?冨岡さんのこと聞いてくるなんて………!柚葉ちゃん!もしかしてっ、…っそうなのねぇ!」
「う〜ん、なんのことかなぁ〜?」
蜜璃ちゃんは話ながら、何か気付いたようだ。
さすが蜜璃ちゃん、こういう話は鋭いんだなぁ。
私はと言うと、まだ自分でもよく分かってないので、首を傾げてみる。
……嘘。
もう自分でも何となく分かっている。
家を飛び出してここに来るまでの間、…ほんの数分だけど。
一旦冷静になって考えたら、気付いてしまったんだ。
自分の気持ちの変化に。
でも少し抵抗があって、分からないふりをして誤魔化してみた。
「気になってるのよね⁈冨岡さんのこと!」
「……はい」
誤魔化したところで、蜜璃ちゃんには全く通じない。
こういった話が大好きな蜜璃ちゃん。
「きゃーーー!」と大興奮で、期待の眼差しを私に向けた。