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君に出逢えて、恋をして 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第2章 きっとこれは恋じゃない



帰る間際に、伊黒さんが地図を書いてくれた。
本当は蜜璃ちゃんが「私も一緒に行くわぁ!」と言ってくれていたのだけれど、その隣で伊黒さんが「蜜璃がそう言うのなら俺も…、だがアイツの家に行くのか…いや、蜜璃の為なら…だがしかしっ、…どうすれば…!」と、悶絶するかのように頭を抱えてしまったので、蜜璃ちゃんには申し訳ないんだけれど丁重にお断りした。


「1人で行ってみるね。ハンカチ返すだけだし」

「本当に?1人で大丈夫?」

「うん、大丈夫!ありがとう蜜璃ちゃん」

「すまない柚葉。地図は分かりやすく書いておく」

「分かった。伊黒さんもありがとう」


伊黒さんは地図を書きながらまた何やら独り言。


「本当は行かせたくないんだアイツの所へなんか。だが柚葉の気持ちも汲んでやらねば…。そもそもアイツがあそこへなんか行くからこんな事に…そうだ全てはアイツのせいだ。今度あったら盛大に文句を言ってやる」


…喧嘩でもしてるのかしら?










「これが地図だ。分かりやすく目印等も書いておいた」


ありがとうと伊黒さんが書いてくれた地図を受け取る。
宣言通り分かりやすく書いてくれてあった。

…え、うちと2通り違うだけなの⁈
なんで今まで会わなかったんだろ…
でもよく見たらうちの裏側の通りだ。
こっちの方は行った事ないから、当然かと納得した。


「ところで柚葉。いつ頃行こうと思っているんだ?」

「うーん、明日!」

「明日⁈」

「善は急げね!」





そして二人は、後で半分こに分けようと言ったマカロン1箱を持って仲良く帰って行った。

帰るまでに、蜜璃ちゃんはしっかり3箱分のマカロンを食べ切っていた。





その日の夜、私は布団に入ってからなかなか寝付けずにいた。

思ったよりわくわくしてるなぁ、私。
遠足が待ち遠しくて眠れない小学生みたいだ。

1ヶ月前に一回会っただけだけど、覚えているかな?
…さすがに忘れないか、1ヶ月じゃ。

……。

いきなり行って大丈夫かな。

あれよあれよと言う間に居場所も分かって勢いで明日行くなんて言っちゃったけど、いなかったらどうしよう。

急に不安に襲われたその時、枕元に置いておいたスマホが鳴った。





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