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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第60章 茜が沈む、緋(あけ)が昇る ✴︎✴︎


「ご馳走様でした、杏寿郎さん。いつもお支払いして頂いてありがとうございます……」

「気にするな。こう言う事は年長者かつ柱である俺の役目!」

「ありがとうございます」
「ご馳走様でした」
「とても美味しかったです」
……と、お礼の言葉が他の3人からも発せられた。

店の暖簾をくぐると、目の前に飛び込んで来るのは1つの池。

「御手洗池(みたらしいけ)でしたっけ?凄く透明度が高いとお店の方が言ってましたよね」

御手洗池とは、神宮境内の東方に位置する神池で禊(みそぎ)の地。
古くは西の一の鳥居がある大船津から舟でこの地まで進み、禊をした後に神宮に参拝したと考えられている。
「御手洗」の池名もそれに由来するとされているとの事。

「そうだな。大層純度が高そうな池だ」

因みにこの御手洗池には南崖からの湧水が流れ込んでおり、水深は1メートルほど。この池は大人が入っても子供が入ってもその水深は乳を越えないといわれ「鹿島七不思議」の1つに数えられている。


「さて……まだ15時を回った所か」
杏寿郎は洋袴のおとし(ポケット)から取り出した懐中時計で時間を確認すると、4人を見回す。

「鹿島神宮は武道の神である”建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)”を御祭神としている。どうだろう、皆で必勝祈願といかないか?」


パンパン ———
5人は本殿まで戻り、横一列に並んで手を合わせている。
左からカナヲ、炭治郎、杏寿郎、七瀬、善逸の順だ。


鹿島神宮の本殿の造りは三間社流造(さんげんしゃながれづくり)と言い、向拝一間(こうはいひとま)で檜皮葺(ひわだぶき)。
柱頭(ちゅうとう)・組物(くみもの)は漆塗りで極彩色が施されており、本殿の背後には杉の巨木の神木が鎮座している。

神木は樹高43メートル・根回り12メートルで樹齢約1,000年と言われるそのさらに後方……玉垣を介した位置には「鏡石(かがみいし)」と呼ばれる直径80センチメートルほどの石があり、それは神宮創祀(そうし)の地と呼ばれているらしい。



祈願を終えた5人は、それから境内を散策した。これは神宮の敷地内を確認する作業でもある。






そして—— 夕日が沈み、時刻は19時半。

「おでましだな、鬼狩り共」
本殿の真上には1人の男が立っており、腰まである銀髪をなびかせている。

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