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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第38章 よもやのわらび餅




「それならよかった……」
「はい!」
また彼がにっこりと笑ってくれた。


「この型は茶道の所作も取り入れているのか?」
続いて、槇寿郎さんが言葉を発する。

「はい。柄杓(ひしゃく)を釜に置く際の動きを入れています。刀を対象物から引き抜く時がおっしゃる通り、茶道の所作ですね。引き柄杓(ひきびしゃく)と言います」

「茶道の経験は?」
「ないんです。でも母がお茶の稽古に向かう際、何回か一緒に行った事があります。そういえば…と思い出して…」


「なるほど……」
顎に手をあててふむ…と腑に落ちている様子。


「七瀬、もう少し詳しく教えてほしい」
杏寿郎さんがいつの間にか木刀を3つ手にして、歩いて来た。


「わかりました。いつもと逆だからなんだか不思議な気分ですね。では、今お話していた引き抜く動きからで良いですか?」

「ああ、頼む」

それから小一時間程、3人から次々に繰り出される質問に応対しながら私は突きの型を伝えていった。





自分の部屋に帰って来て、文机の前に座る。

「陸ノ型は突き技… 型名は心炎……」

新しく買った和綴じの呼吸帳を開いて、早速書き込みを始めた。

右隣には隊服に着替え終わった杏寿郎さんがおり、彼の意見を聞きながらそれも一緒に記載していく。



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