第74章 忍界大戦7
包装を綺麗に取って、中を開けてみると、
ビヨン!
バネが勢いよく箱の中から出てきて、一瞬驚いた。
バネの先には偽の黄色い花が付いている。
「「……。」」
所謂びっくり箱だ。
またしょうもない物を、とレンは思う。
「相変わらずだな…。」
レンは思わず呟いた。
「…あの人、こういうの好きなのかな。」
リヨクの静かな言葉にレンは頷く。
「こういう、人を驚かせるようなイタズラが好きなんだ。」
思わず答えて、はたと気づく。
何故そんなこと知っているのだろう、と。
けれど間違いではない、という確信がある。
ー何だ、この違和感は…。
レンは眉を顰めた。
「…忘れろ。その方がお前が傷つかない。」
リヨクはそう言ってその場を離れる。
それにもまた違和感を覚える。
ーそんなこと言う人だった…?
リヨクという人は、謎を謎のままにしておくのはあまり好きではないとレンは思っていた。
なのに…。
彼女は、言いようのないもやもやを抱えながら、黙ってリヨクの後ろ姿を目で追う。
ー…このまま、ここにいていいのだろうか。
「戻らなきゃ…。」
思いがレンの中に芽生える。
ーでも、何処へ…?
レンは、出口のない場所に閉じ込められたような不安を抱いた。